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第15回『何のために生きるのか』(五木寛之、稲盛和夫)

作家と実業家という、異色ではあるものの、
同じ昭和7年生まれであり、ともに仏教に心を寄せる二人の対談です。

あまりにもストレートな題名でドキッとするのですが、
いざ読んでみると、すごくやさしいことばで対談がなされていて、
二人の暖かいお人柄が伝わってきます。

「他力の風」ということばが対談のキーワードとして何度も出てきます。

順調な日々が過ごせていれば、周りの良い環境に恵まれているからであり、
「おかげさまで」という謙虚な気持ちになれるし、
恵まれない日々を過ごしていても、
「それはたまたま帆を張るヨットに風が吹いていないだけだ」と
気楽に過ごすことが出来ると五木さんは優しく紹介します。

周りから助けてもらえるようになり、良い運命に恵まれるためには、
ヨットに帆を張ってきちんと準備するように自分を磨くことが必要だと
求道者の稲盛さんは語ってくれています。

どちらの考え方もおそらくは真実なのでしょう。

今の環境が恵まれていても、恵まれていなくても
自分を磨くことが必要なのでしょうし、
常に自分を卑下せず謙虚な気持ちでいることが大切なのでしょう。

「ぼろを着てても心は錦」と昔の人はよく言ったもので、
たとえ境遇に恵まれなくても、それで自分の価値は変わるわけでもないし、
腐らずにくじけずにコツコツと自分を磨くことで、
かえって自分の価値が上がるのだと思います。

また、境遇に恵まれていてもそれにおごり高ぶらず、
コツコツと自分を磨くことで、また自分の価値が上がることでしょう。

なんだか、堅い話になってしまいましたが、
今年で一番こころを清らかにしてもらった一冊でした。



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