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第28回『愛と死を見つめて』(大島みち子、河野実)

先日、3月18日、19日と二夜連続で放映された、
広末涼子と草なぎ剛主演のドラマの原作であり、
1963年という昭和の時代に、実際に二人の間で交わされた往復書簡です。

軟骨肉腫という不治の病にかかり阪大病院に入院していた大島さんと
たまたまその病院で知り合った河野さんが退院後も、
「文通」(昭和ですね~、往復に五六日かかるんです)や電話で励ましあって、
彼女が生きる希望をつなぐために顔の半分を切除するという痛切な手術を経て、
死に至るまで深く愛し合うという内容でした。

弱音も愛情も包み隠さずストレートに表現する河野さん(愛称「マコ」)を、
大島さん(愛称「ミコ」)が不治の病という難しい立場にありながらも、
新鮮さをもって気丈にそれを受け止めるという、
みずみずしい感性で満ちあふれたストーリーでした。

一歩引いた立場から見ると、
マコは弱音も愛情もあまりにストレートに表出しすぎてしまい、
病身のミコを困らせすぎてはいないだろうかと読者をハラハラドキドキさせるのですが、
その激情が、かえってミコには新鮮だったのだろうと思います。

彼女が、時には子を慈しむような母のように、
時には熱い情熱をたぎらせる恋人のように、
彼と心を通い合わせてゆく様子は、読者の心を感動で満たしていきます。
現代のような心が乾いてしまった時代には、
このような清冽な心の動きはとても新鮮で、強く私たちの胸を打ちます。

こころとこころのキャッチボールというと聞こえはいいですが、
時には、このような心のすれ違いというのはよくあるものです。
しかし、彼らのように時には暴投があったり、
時には手がしびれるようなボールがあったとしても、
希望を捨てず、辛抱強く心を通い合わせるという姿勢は、
とても見習うべきことかなあと思います。

このような濃い体験はなかなかできるものではありませんが、
少しでも見習って、こころのキャッチボールを辛抱強く行いたいものだと思います。



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