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第37回『ゆるすということ』(ジェラルド・G・ジャンポルスキー)

もう、過去にはとらわれない。

他人をゆるすことは、自分をゆるすこと。


そんな副題やキャッチコピーがこの本に添えられています。
果たして、それが本当かどうか気になるかもしれません。

確かにその通りかもしれないし、
単なる奇麗事ではないこともわかるような気もします。
誰しも、他人をゆるしてあげることで穏やかな気持ちになった経験があるからです。

だけど、多くの場合、私たち凡人は、
ゆるすと損をしたような気になることがあるのです。
傷つけた相手や組織を許すことは、自分が負債だけ押し付けられた気がして、
なかなか「ゆるす」ことができないのでしょう。

著者も全くそのような気持ちになることがあるらしく、
だからこそ、この本を書いたのだと言っています。

彼が説明するには、「ゆるす」ことができないのは、
「エゴ」の力がとても大きいからだそうです。
「エゴ」は、いつも所有しようとしたり、恐れたり、責めたりする気持ちになるのですが、
そのせいで、私たちは檻の中に閉じ込められているのです。

確かに、自分を苦しく不利な状況に追い込んだ相手を責めることで、
自分が得したような感じがしますが、
実際は、そのような感情にとらわれていては、
いつまでたっても、穏やかで平安で幸せな気持ちにはなれないのは事実です。

そうは思いますが、
なかなか「エゴ」にもとづく価値観はなかなか変えられないものなので、
そのために著者は、ゆるせない理由を取り除く処方箋も、
ていねいに示してくれています。

読み進めるにつれて、こころが徐々にほぐれてきたところで、
終わりのほうで、「ゆるしは奇跡を起こす」という話になり、
国の犯罪をゆるす、組織をゆるす、軍隊をゆるすと、
話がどんどん大きくなり、胸を膨らませてくれます。

私自身も、まだ正直受け入れがたいものはありますが、
丁寧なガイドラインもついているので、
それに沿って一歩一歩ゆるしの道を歩んでみたいなあと思われる内容でしたので、
おすすめいたします。



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