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第44回『失敗学のすすめ』(畑村洋太郎)

長年、大学で機械設計について指導している著者が痛感したのは
失敗といかに付き合うかによって、
個人の成長、組織の発展が大きく違っているということです。

起きてしまった失敗に積極的に取り組んでうまく活かせば、
その後の創造の大きなヒントにもなるし、
また、次に来る大きな失敗を未然に防ぐことも出来ます。
反対に失敗を避けて隠していれば、成功もおぼつかないし、
大きな失敗を防ぐことも出来ません。

そのことを、原発事故や雪印の不祥事など、
過去の大事件を具体的にたどることで、
なるほど、失敗を隠蔽しようとすると、
これほどまでに組織はむごくなってしまうのだなあと痛感します。

人のふり見て我がふり直せとよく言われますが、
会社に勤めていたりすればよく見聞きするような話ばかりで、
「『まさかこんなことが起こるとは思わなかった』のウソ」や
「失敗情報は隠れたがる」など、
他業界のことといえども、身につまされる話が次から次へと紹介されています。

さらに、この本がすごいのは、
「失敗学」として事例分析だけではなく、
いかにして失敗を前向きに活かしていくかという方法論が
具体的に模索されていることです。

失敗知識の整理法や思いつきノートの書き方など身近なものから、
失敗に活かすと得になるなる仕組みや、
会社の会計制度の中に失敗を含み損に入れておくことなど、
大きなスケールのものまで、様々な提案がなされていて、
とてもたくさんのことを教えてくれています。

理科系の先生が書かれたドライで分かりやすい記述も、
とてもスムーズに読みやすくなっています。

そういった様々な点からおすすめできる一冊です。



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