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アヒルのCMで有名ながん保険会社「アフラック」。
日本ではガン保険の会社がなかったばかりではなく、
そもそも、ガン保険そのものが大蔵省や厚生省から認可されていない時代、
著者の大竹さんは、がん治療のつらい現場を見て、
これは、自分の「人生の使命」になりうると信じて、
「アフラック」を創業するに至ります。
そのとき、大竹さんは32歳。決して順風満帆の人生ではありませんでした。
若くしてベンチャー企業を創業・上場して、
株の売却益を得て早々にリタイヤするという生き方とは全く異なるもので、
作家や農業指導者、その次は宣教師、さらには政治家と、
さながらフリーターのように「人生の使命」を探していたのです。
現在のように「フリーター」という概念がなかった頃だけに、
多くの批判を浴びたと言いますが、それは大変なものだったことでしょう。
1939年生まれの著者ですから、同年代の人たちが、
会社に就職して定年まで勤め上げるという生き方を正しいと信じる時代に、
その傾向に抗って、自分探しを続けたわけですから、
その言葉には穏やかながらも確固たる動かざる自信が核としてあります。
巻頭にある好きな言葉が「揺れても沈まず」であったり、
あるいは、「風吹月不動」という中国の故事に感動したり、
十人中九人に反対されるような独自のアイデアに挑戦しようとしたり、
独立自尊の強い精神が見られます。
さまざまな栄枯盛衰を見てこられたからでしょうか、
政策や世の中の流行、人の心はコロコロ変わるから、
時間をかけてでも自分探しをして個の確立を果たすことの大切さを
切々と語っています。
自己啓発の本にありがちな派手な煽りやPRはありません。
あるのは、このような穏やかな動かぬ自信だけですし、
ところどころで、アランやプラトンなど哲学書からの引用がありますし、
日産自動車のゴーンCEOがギリシア哲学に造詣が深いことにも触れています。
そういった教養の豊かさも、
この本に重厚な意味合いをもたらしてくれています。
あまり器用ではないけれど、
じっくりと物事に取り組むのが得意なあなたにおすすめいたします。
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