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vol.11 70歳の転機をモノにした女性(岸朝子さん)

人生、どこで何が起こるかわかりません。
意志を持って、「やりたいこと」に向かっていれば、
「遅咲きの大輪」という生き方だってできるのです。

32歳のとき、4番目の子を妊娠中に受験した主婦の友社に
350倍の倍率を制して合格。
料理記者として、数々の斬新な企画を立てるなど活躍後、
会社設立をして独立。
そして、70歳にしてテレビ出演を果たし、全国区の著名人へ。

そんな、華々しい階段を駆け上った女性が
今回、ご紹介する料理ジャーナリストの岸朝子さん。

岸さんを一躍有名にしたのは、「料理の鉄人」という番組。
これは俳優の鹿賀丈史さん扮する食いしん坊の貴族が

「おいしい料理を食べたい、新しい料理を知りたい、
腕のいい調理人を見つけたい」

と自分の館にキッチンスタジオを作り、
そこで、お抱えの調理人である和洋中それぞれの鉄人と挑戦者とを
同一素材をテーマに1時間の制限時間で闘わせるという設定でした。

もともと岸さんは出演者の人選について相談を受けていたそうですが、
話の流れで味のジャッジを務める審査員として出演することになった
と言います。

今でこそ、「対決型」の料理番組は増えたけれど、
この「料理の鉄人」はその先駆けともいえる番組。
夜の11時台という番組にもかかわらず、平均で15%、最高では22%という
高視聴率をマーク。

「古希(70歳)の記念に」と軽い気持ちで出演を引き受けた番組。
でも、そこで、「料理記者歴40年」という肩書きと
厳しくも的確な味の論評、そして決めゼリフ「おいしゅうございました」で
岸さんは人々に鮮烈な印象を残し、一躍人気者に。

まさに人生、いつ転機が来るかわかりません。

一般的には知られていなくても、それまで地道に積み重ねてきた
「料理記者」という実績が、70歳を機に大きく花開いたのです。
その後、これまでやりたかった「食と健康に関する講演」や著作活動など
幅広く話が舞い込んできたと言います。

仕事をするのに年齢は関係ない、そう勇気づけられるお話です。

岸さんは、今年で83歳。
でも、この歳で「やりたいこと」をやるには、
健康であることがもっとも大事な条件となります。
健康であるから、長生きも楽しいし、自分の好きなこともできて、
他人のためにも何かできる。

若いうちは、「健康」について優先的に考えることは少ないかもしれませんが、
20代~30代の過ごし方が、実はのちのちの体に響いてくるとはよく言われます。
だから、今から、少しだけ、体に気を遣うのも悪くないかもしれません。

とはいえ、そんな岸さんも、お酒・タバコをたしなみ
周囲にもやめる気はないと公言。

「それでいくつまで生きられるか実験中」

とおっしゃているとか。

栄養学がご専門なので、食べものには気を遣われているようですが
健康と長寿をもたらしている一番の要因は、

「ナンクルナイサァ(なんとかなるさ)」

という沖縄の精神だと分析されています。

岸さんご自身は、東京生まれの東京育ちだそうですが、ご両親はともに
沖縄のご出身。自然、故郷は「沖縄」と考え、そこに根付く精神の影響を
強く受けたようです。

「明日やれることは、今日はやらない」

そんなふうに生きているから、ストレスは溜まらないと言います。
若いうちは、がむしゃらに働かなければならない時期もあるかもしれませんが、
長く走るには、そればかりでは体ばかりか心も持たないでしょう。
自分にとっての「いい加減」を知ることが、
人生の長距離ランナーとして成功する秘訣かもしれません。

また、岸さんのプロフィールを見ると、すごく計画的にステップアップしているように

見えますが、実はそうではなかったようです。

「私は場当たり主義だから、理想もなにもない。
その日その日を一生懸命暮らしていれば、風が吹いてくるんじゃない?」

妊娠7ヶ月で出版社を受験しに行った時も、そんな気持ちだったのかもしれません。
でも、風が吹いたら、その風を何倍もの追い風にして
突き進んでしまう、そんな自由さと大胆さが岸さんの人生に何度も転機を
もたらしたのでしょう。

人は生きていること自体が、仕事でもあります。
そして、その「生きるという仕事」を充実させる一つの術が
「仕事」や「夢」や「やりたいこと」なのではないか、と
再認識させられる岸朝子さんの生き方です。

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☆岸朝子さんのHP

▼岸朝子の部屋

☆参考サイト

▼▼i-style インタビュー

☆参考文献

クロワッサン(2005年3月10日号)



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