ハッピー☆ウーマンへの道
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先日、とある音楽番組で、見たことのない女の子が
ゴスペル・シンガーを従えて堂々と歌っていました。
すごく楽しそうに、
まるで呼吸するかのように自由に歌っている様子は、
単に「歌がうまい!」というだけでない魅力を
ビシビシ伝えてきます。
子育てに埋没している間に、すっかり昨今の音楽事情に
疎くなってしまった私ですが、
彼女こそ、昨年の秋に彗星のごとく現れ、
日本レコード大賞特別賞を受賞し、紅白出場まで
果たした「大物新人」だったのですね。
伊藤由奈。ハワイ生まれの日本人とのハーフ。
2004年に矢沢あい原作の超人気コミック「NANA」の映画化に
際して実施されたオーディションで、カリスマボーカリスト
“レイラ”役に大抜てき。
このオーディション時のエピソードがまた振るっています。
当時、歌のレッスンのため日本とハワイを行き来していた
彼女は、歌うときに流すカラオケの準備ができないまま
本番に臨み、アカペラでマライア・キャリーの
「ビジョン・オブ・ラブ」を歌ったというのです。
小さいころからマライアが大好きで、マライアに憧れて
歌手になることを夢見てきた伊藤由奈。
ハワイのハイスクール時代には、7オクターブを持つ
世界の歌姫マライアの曲をすべてマスターしていたそうです。
「こうなりたい!」を叶えるときに
モデルを持つことの大切さは連載の第一回にも書きましたが
伊藤由奈はそれを実践して、成功させた良い例と言えるでしょう。
夢見る力と努力と才能と、ここ一番の度胸の良さと。
それが彼女にチャンスをもたらし、
シンデレラストーリーの第一歩を踏み出す
きっかけをもたらしたのです。
デビュー曲となった映画「NANA」の劇中歌「ENDLESS STORY」は
記録的大ヒット。
その後も、ドラマ「アンフェア」の主題歌「Faith」に続き、
映画「LIMIT OF LOVE 海猿」の主題歌「Precious」と順調にヒットを
重ねています。
とはいえ、ここまでの道は平坦ではありませんでした。
教育熱心な両親のもと、中学・高校は現地の学校に通うかたわら、
それが終わると夕方から日本語学校に行くというハードスケジュール。
しかも、5時半にすべてが終わって門限は6時という厳しい家庭。
歌手に憧れる娘に対して、ちゃんと勉強をして大学進学し
法律家か医者になることを言い聞かされてきたといいます。
当然、自宅で音楽は禁止。
でも、伊藤由奈はあきらめません。
ランチマネーとしてもらっていたお小遣いを節約して
大好きなマライアのテープやDVDをこっそり買って
夢をあたため続けてきたのです。
中学2年のときには、楽器店を訪ね、
「歌手になりたいんですけど」と相談したり。
そこの店員でもあったハワイで一番有名なソングライターに
デモテープの作り方を教えてもらったり。
彼女いわく「やりたいことがあると我慢できない」タイプ
なのだそう。自分のできる範囲で、夢に近づく努力を
続けていました。
ハワイではオーディションなどはないけれど、
現地のコンテストなどでは「歌の上手いコ」として
すでに有名ではあったようです。
高校卒業後、親を説き伏せて、ようやく本格的な歌のレッスンを
開始。日本とハワイを往復する生活が始まりました。
でも、幸運の女神はすぐには微笑んでくれません。
まったく芽が出ない、つらくて長い3年間を送ったのです。
歌手を本業として大丈夫なのかという不安。
両親の言うとおり、進学したほうがよかったのかという迷い。
あとどれくらい練習すればいいのだろうという焦燥感。
どんなに強い夢を抱いていても、
同じテンションで努力を続けるのは、とても難しいことです。
血の滲む努力をしても才能が足りなかったり、
運に恵まれなかったりで、
夢が叶わないことだってあり得ます。
あとは、もう本人の「選択」。
納得のいくまで闘うしかありません。
「自分自身」と。夢の前に立ちはだかる「壁」と。
そして、伊藤由奈は、涙を流しても、
最後の最後は「闘う」ことを選んだのです。
「あっちを選べばよかったかも」
という思いにとらわれたとき、
人の心は弱くなるように思います。
「選択」をしたら、とことん頑張る。
そこからしか道は開けないのです。
そんな彼女の「頑張る情熱」は、プロの歌手となった今でも
変わりません。
冒頭の私が感銘を受けた曲「Precious」のレコーディングでの
エピソード。
レコーディングが終わった時点で、この曲がテーマソングとなる
映画はまだ正式完成していなかったそうですが、
編集作業の途中段階のものを観て、
もう一度歌の録り直しをしたとのこと。
歌詞の一つ一つを大切にして、声のトーンで表現して。
何度も何度も、納得のいくまで歌ったそうです。
スタジオの証明をギリギリまで落とし、
アロマ・キャンドルをたいての雰囲気づくをりして、
歌のテーマである「Pure Love」の世界を伝えようとしたのです。
伊藤由奈のスゴさは、なる前から
「歌手」を単なる憧れの対象としてだけでなく、
「プロフェッショナル・ワーク」としてとらえていたこと。
だからこそ、夢が実現した今でも、妥協をしない。
夢は叶ったら終わり、ではなく、本当はそこからが
新たな始まりなのだと、改めて気づかされます。
これからの進化が楽しみで、目が離せない女性です。
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参考サイト
▼オリコン スタイル
http://www.oricon.co.jp/music/interview/060502_01_02.html
▼エキサイト ミュージック
http://ent2.excite.co.jp/music/interview/2006/yuna/
参考資料
▼日刊スポーツ 2006年5月14日号「日曜日のヒロイン」
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